研究者識別子ORCIDの概要と事例から学ぶ導入プロセス

第3回研究支援力促進セミナー 開催趣旨 論文の投稿,外部資金の申請,所属機関の変更,いずれも研究者にとっては日々の活動の一つです.求めに応じ都度IDを作成し,結果,複数のIDを保持・管理しなければならなくなり,その煩雑さから逃れたいと思われている研究者は多いのではないでしょうか.一人の研究者に複数のIDが割り当てられているこのような状況は,研究者が自身の業績を管理する上での不自由さだけが問題ではありません.研究機関がその研究力を測る時にはより複雑なIDの対応づけを迫られることになります.このような混乱を解決することができる永久識別子として考案されたのがORCID (Open Researcher and Contributor ID) です. 本セミナーの前半では,永久識別子として設計された ORCID が,果たして他の研究者IDとは異なるどのような特徴を持ち,世界並びに日本ではどのように受け入れられているのかについて本学のリサーチ・アドミニストレーター(URA)がご紹介します. ORCIDは個人でのID取得も可能ですが,価値を十分に発揮するには,組織単位での導入が効果的です.しかしながら,ORCIDはNPOにより運営されていることもあり,導入とその後の運用はそれぞれの組織が取り組むべき課題となっています.セミナーの後半では,ORCIDを今年度導入した新潟大学のURAから,課題にどのように取り組み,導入,その後の運用につなげることができたのかについて,事例をお話いただきます. 研究者IDを所有されている研究者や業務上研究者IDを取り扱う職員のみならず,近い将来に何らかの研究者IDの取得が必要となる院生の皆様からのご意見を伺うことができればと思います.奮ってご参加ください. 日時: 2019年03月06日(水)14:00—15:30 (開場13:30) 会場: 一橋大学附属図書館会議室 共催: 一橋大学社会科学高等研究院グローバル経済研究センター(HIAS GLECS) 一橋大学附属図書館 プログラム: こちら 参加申込: 2019年3月5日(火)までの事前参加申し込みにご協力お願いします 対象: 本学教職員と学生 お問合せ先: TEL: 042 – 580 – 8604 一橋大学社会科学高等研究院 https://glecs.hias.hit-u.ac.jp/contact-us/ Starts 6 Mar 2019, 14:00 Ends 6 Mar 2019, 15:30 Asia/Tokyo Hitotsubashi University 一橋大学付属図書館会議室 東京都国立市中2-1 Menu

計量書誌学に基づく大学の研究力を測るための新しい指標

by 小泉 周 (大学共同利用機関法人自然科学研究機構研究力強化推進本部 特任教授(統括URA)) 講師紹介 ■小泉 周(こいずみ あまね) 自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任教授(統括URA) 自然科学研究機構 生理学研究所 細胞器官研究系 特任教授(併任) 神奈川県出身。専門分野は、神経・筋肉生理学。1997年慶応義塾大学医学部卒業、医師、医学博士。電気生理学と網膜視覚生理学の基礎を学ぶ。2002年米ハーバード大学医学部にてリチャード・マスランド教授に師事。自然科学研究機構生理学研究所の広報展開推進室 准教授(2007年10月)、同研究所・機能協関部門准教授併任、総合研究大学院大学・生理学専攻准教授も兼任し、2013年10月から現職。2016年より、科学研究費補助金・特別研究促進費における「研究力分析指標プロジェクト」(課題番号:16H06580)の研究プロジェクトリーダー。 (Google Scholar) http://scholar.google.com/citations?hl=en&user=391hdUEAAAAJ 開催趣旨 大学を特徴づけし,研究資金を選択的,集中的に配分しようという傾向がより顕著になる中で,今後の研究環境の維持,整備を行うには理系・人文社会系にかかわらず,大学の研究力を客観的な指標によって示すことが益々重要になってくるといえます. 研究力と相関があるとされる指標を「量」と「質」に分けた時,「量」に対応する論文数や著書数,「質」に対応する被引用数,その被引用数を元に算出されるインパクトファクターなどが有名です.しかしながら,これらの指標は一人のスターサイエンティスト,または,被引用数が極めて大きな一本の論文が存在することによる影響を過大に受けてしまいます.そのような特例に左右されることのない新しい指標として,小泉先生らの研究チームは「厚み」を提言されました.厚みを指標に加えることにより,本来それぞれの大学が有しているはずの固有の特性,機能が現れてくることが期待されています.お話では,厚み指標の求め方について説明いただき,さらに,研究力,競争的資金の獲得力,国際性を表す指標としての妥当性を検証いただきます.これら「量」「質」「厚み」を総合的に研究分野別に適用した結果から,本学で取り組まれている研究活動の特色をより的確に表すことのできる指標について議論する機会を提供することができればと思います. 本学の科学研究費助成事業における採択率の高さはしばしば話題に上がるところです.採択率以外の観点からも,小泉先生を研究代表者とするグループでは解析が進められています.5年を単位とするここ10年間での変化,カテゴリー別,分科別の分配状況についての分析結果を元に,競争的資金の獲得における厚みをさらに堅固にするためにとるべき対策についても考えてみたいと思います. 参考文献 小泉 周 & 調 麻佐志「大学の研究力をどのように測るか?」『一橋ビジネスレビュー2017年夏号』:58-72. 期間 Wednesday 25 Oct 2017, 16:00 → 18:00 Asia/Tokyo 場所 法人本部棟7F大会議室 (Hitotsubashi University) 会場へのアクセス JR中央線国立駅からキャンパスまではこちら. キャンパスマップはこちら.建物番号4番です. Organized by 一橋大学社会科学高等研究院 Contact 内線 8604 (担当:上坂) 本イベントの参加者は事前にメールなどにて案内を受け取られた方のみとなっております.ご了承頂けますようお願いいたします.