計量書誌学に基づく大学の研究力を測るための新しい指標
by 小泉 周 (大学共同利用機関法人自然科学研究機構研究力強化推進本部 特任教授(統括URA))
講師紹介 | ■小泉 周(こいずみ あまね) 自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任教授(統括URA) 自然科学研究機構 生理学研究所 細胞器官研究系 特任教授(併任) 神奈川県出身。専門分野は、神経・筋肉生理学。1997年慶応義塾大学医学部卒業、医師、医学博士。電気生理学と網膜視覚生理学の基礎を学ぶ。2002年米ハーバード大学医学部にてリチャード・マスランド教授に師事。自然科学研究機構生理学研究所の広報展開推進室 准教授(2007年10月)、同研究所・機能協関部門准教授併任、総合研究大学院大学・生理学専攻准教授も兼任し、2013年10月から現職。2016年より、科学研究費補助金・特別研究促進費における「研究力分析指標プロジェクト」(課題番号:16H06580)の研究プロジェクトリーダー。 (Google Scholar) http://scholar.google.com/citations?hl=en&user=391hdUEAAAAJ |
---|---|
開催趣旨 | 大学を特徴づけし,研究資金を選択的,集中的に配分しようという傾向がより顕著になる中で,今後の研究環境の維持,整備を行うには理系・人文社会系にかかわらず,大学の研究力を客観的な指標によって示すことが益々重要になってくるといえます.
研究力と相関があるとされる指標を「量」と「質」に分けた時,「量」に対応する論文数や著書数,「質」に対応する被引用数,その被引用数を元に算出されるインパクトファクターなどが有名です.しかしながら,これらの指標は一人のスターサイエンティスト,または,被引用数が極めて大きな一本の論文が存在することによる影響を過大に受けてしまいます.そのような特例に左右されることのない新しい指標として,小泉先生らの研究チームは「厚み」を提言されました.厚みを指標に加えることにより,本来それぞれの大学が有しているはずの固有の特性,機能が現れてくることが期待されています.お話では,厚み指標の求め方について説明いただき,さらに,研究力,競争的資金の獲得力,国際性を表す指標としての妥当性を検証いただきます.これら「量」「質」「厚み」を総合的に研究分野別に適用した結果から,本学で取り組まれている研究活動の特色をより的確に表すことのできる指標について議論する機会を提供することができればと思います. 本学の科学研究費助成事業における採択率の高さはしばしば話題に上がるところです.採択率以外の観点からも,小泉先生を研究代表者とするグループでは解析が進められています.5年を単位とするここ10年間での変化,カテゴリー別,分科別の分配状況についての分析結果を元に,競争的資金の獲得における厚みをさらに堅固にするためにとるべき対策についても考えてみたいと思います. |
参考文献 | 小泉 周 & 調 麻佐志「大学の研究力をどのように測るか?」『一橋ビジネスレビュー2017年夏号』:58-72. |
期間 | Wednesday 25 Oct 2017, 16:00 → 18:00 Asia/Tokyo |
場所 | 法人本部棟7F大会議室 (Hitotsubashi University) |
会場へのアクセス | JR中央線国立駅からキャンパスまではこちら. キャンパスマップはこちら.建物番号4番です. |
Organized by | 一橋大学社会科学高等研究院 |
Contact | 内線 8604 (担当:上坂) |
本イベントの参加者は事前にメールなどにて案内を受け取られた方のみとなっております.ご了承頂けますようお願いいたします.